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熱可逆性ハイドロゲル

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熱可逆性ハイドロゲル(TGP)を用いた抗癌剤効果及び、生命予後予測システムの開発
=Predictive system of the effects of chemotherapy and prognostic factors of survival in cancer patients by Thermo-reversible Gelation Polymer 

熱可逆性ハイドロゲル(TGP) とは?・・・

   当該TGPは、分子内に疎水性部分と親水性部分とを有し、転移温度20℃の上下でゾル・ゲル状態が可逆的に変化するPolymerである。
このPolymerは聖マリアンナ医大(St. Marianna Univ. School of Medicine)外科学教室教授 窪田 倭博士(Prof. Sunao KUBOTA)の発明による極めて特殊且つユニークなPolymerである。同博士は東京女子医科大学心臓外科学教室、米国ミネソタ大学外科学教室を経て、TGPによる創傷被覆剤(Wound covering material)や in vivo により近い肝臓、膵臓の再生医療(Regenerative medicine in liver and pancreas)、癌細胞3次元人工培養技術など日本における第一人者である。
   今日の化学療法による癌治療は、患者個人の病態とその癌の特異性に配慮した「個」別の治療法−所謂テーラーメードの治療法−を選択すべき時代となっている。群別に比較したデータに基づいて病名のみの選択してきた抗癌剤による治療成績は、およそ30%〜40%の奏効率であるにもかかわらず、その患者に対して有効性の証拠とはならず、副作用のみ惹起する可能性を強要することにも繋がりかねないとの認識が広がっている。即ち、病名のみで盲目的に抗癌剤が投与されている現在、大半の患者には効果のない抗癌剤が投与されているのみならず、副作用の強い薬剤を服用している。更に大半の薬剤が無効であるので無駄な医療費が膨大に使用されている。従って、手術によって摘出された癌組織から、その患者に最も適し、しかも副作用の少ない抗癌剤が選択できる抗癌剤感受性システムの実用化が切望されている。これまで抗癌剤感受性試験はHDRA法(Histoculture Drug Response Assay)やCD-DST法(Collagen Gel Droplet Embedded Culture Drug Sensitivity Test)などが報告、実用化されているが、いずれも感受性の有無のみで、たとえ有りと判定されても効果がいつまで期待できるのか、生命予後がどの程度なのかなどの予測が不可能であった。
こうした背景の下、我々が開発した熱可逆性ハイドロゲル(Thermo-reversible Gelation Polymer: TGP)を消化器癌、とりわけ進行性大腸癌に対して、これを3次元初代癌細胞培養用基材として用いた「抗癌剤感受性検査キット」を試作し、すでに実用化されている。これに抗癌剤5−FUの感受性試験データから数理解析の手法を駆使して、当該癌患者の効果及び生命予後予測を高い確率で予測するシステムを開発し、更には遺伝子発現データからその分子生物学的機作をも解明しようとするものである。( 参照)
図1.抗癌剤感受性解析システム
抗癌剤感受性解析システム

スーパーコンピュータによる開発支援

   以上の研究・開発を支える基盤技術として、例えばBeowulf型PCクラスターによる Tera-Flopsオーダーに及ぶ超高速計算機の開発も視野に入れており、この分野における我が国の権威である筑波大学教授 白川友紀博士(Prof. Tomonori SHIRAKAWA)の協力を仰ぐ。同博士は、数百台に及ぶ計算処理要素を2次元トーラス状に結合させたユニークな超並列計算機QCD−PAXの設計、製作に携わり筑波大学計算物理学研究センターにおいて量子色力学(Quantum Chromo-Dynamics)の計算で我が国で最初に本格的に応用された。
   
 
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